個人用の名刺を作ろうかと、WEBを徘徊していたら、活版のワークショップが紹介されていたので、さっそく申し込んでみた。
申し込み多数の場合は抽選とのこと。返信を待つこと2日。見事6倍の難関を突破して当選である。
東京都中央区湊。侘助の家から徒歩15分。バブル華やかしき頃は地上げの嵐が吹きすさんだ場所にひっそりと佇む工房の戸を開けるとそこはインクの匂いに満たされた生の印刷工場。何の演出もない素の現場の表情が好事家の心をくすぐる。
工場の中央には使い込んだ活版印刷機が鎮座している。壁面にはおびただしい数の活字がこれまた使い込んだ棚の中におさめられている。
当日の参加者は6名。中には広島、三重から遠征してきた方も。
ワークショップのコンテンツは簡単な名刺を作成を体験するというものだが、これがなかなか奥が深い。
たとえばDTPであればボタン一発で済んでしまう、センタリング処理。これが活版となると実にややこしい。余剰の空白部分をどこに配置するかにより微妙に文字の配置のバランスが崩れてしまうわけだ。
また、誤謬の修正についても同様。活字を組んでいくときには当然、確認の面は鏡面の状態にあるから、何度確認しても、印刷してみると、「アッ!」ということになるのである。
講師と助手の文字通り手取り足取りの指導により何とか完成にこぎつけたのであるが、日常では味わえない楽しい体験であった。そしてまた、このようなアナログ技術はデジタルへの源流、源泉となっていると改めて感じた次第である。
組み上がった活版。つーんとインクの匂いがします。 |
-追伸-
ワークショップにて指導していただいた講師のみなさん、関係者のみなさん、ありがとうございました!また、遊びに行きます!
侘助拝
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